「秋の贅沢(ぜいたく)」

虫の声の洪水に
水の音
これが贅沢 秋の夜の

 

<藪枯(Yabukarashi)>

 


「耳と心」

耳を打ち
心を浸(ひた)す
虫の声

 

<昼顔(Hirugao)>

 



「痒(かゆ)いとき」

卵を産んで子孫を増やす
健気(けなげ)な女の小さな蚊
気持ちを思えば痒みも薄れ

 

<虫捕り撫子(Mushitorinadeshiko)>

 



「夏のバーベキュー」

蒸し暑さの中
熱気を放つ鉄板よ
冷えたビールが空気を切り裂き

 

<猿滑(Sarusuberi)>

 


 


「適度な風で」

垂(しだ)れ柳は揺れ柳
適度な風が吹くときに
揺れ方 最も生めかしくて

 

<栗(Kuri)>