「稲の葉」

梅雨の隙間（すきま）の乾いた光
水面照らし
稲の葉光らす

<段戸（だんど）ぼろ菊>

「雨蛙（あまがえる）」

雨蛙
ガラス窓に白腹見せず
夕食どこで採（と）ったのか

<カタバミ>

「秋の外灯」

秋の外灯
大小の虫を遊ばせ
さざめいて

<朝顔>

「九月の雨」

雨が肌を冷やしても
芯（しん）はまだまだ夏気分
秋は雨の日ご挨拶（あいさつ）

<犬蓼（いぬたで）>

「虫と月」

月の無い夜の虫さんは
何を頼りに
鳴き続け

<エノコロ草>