橋詩(4)

「橋詩」

橋詩(きょうし)の世界は三行詩
五や七 単位のブロックで
色んなものを橋渡し


<橋詩 南陽彰悟 ('03年10月20日から)>
 
 
 
 
 
「山のペット」
 
大にぎわいの秋の山
真剣顔で 足の短い犬さんは
岩でつるつる後ろ足
 
 
「転(ころ)びやすくて」
 
粘(ねん)土質 湿(しめ)ってて
斜面に足を乗せるとき
出来れば足は別の場所
 
 
「キノコ採(と)りの親子」
 
モミの木の下 息子が見せた
赤みがかった採れたてキノコ
お婆さん 坂の窪(くぼ)みでかき分けて
 
その脇道を尋ねれば
お婆さん 知らない人は行かない方がいい
同じキノコが土産物屋に並べてあった
 
 
「山もゆっくり」
 
左を眺(なが)め右を見て
時には風音 耳すまし
速足(はやあし)夫婦に追い越され
 
 
「電動式シャボン玉発生器」
 
公園の秋の芝生(しばふ)で
母親が子供に見せるシャボン玉
一度に幾つか玉出来てその道具 電池式
 
 
「筑波山 猿田彦神社コース」
 
筑波梅林上方へ西へと向かう林道あって
左へカーブ 沢に架かるコンクリート橋
その西5メートル右へ入(はい)る登山道
 
そばには車8台空き地
しばらくは沢道たどる
赤のマークは古びて薄く
 
踏み跡も次第に薄れ
岩付き道も丹念に踏み跡たどる
斜めのT字路ぶつかれば
 
それから後は踏み跡濃くて
次のト字路右曲がる
真っ直ぐは小枝たくさんそろえて塞ぐ
 
岩付き坂をしばらく登り
大きな岩の椿(つばき)のそばに
木製祠(ほこら)の猿田彦神社
 
私も7円お賽(さい)銭
新酒も供(そな)えてありました
写真撮り色んなことをお願いし
 
岩付き尾根を考えながら
いつしか合流 国松コース
この前 頼った黄黒ロープ
 
最後の大岩右巻き進む
落ち葉の季節が始まって
踏み跡しだいに薄れゆく
 
今日の天気は曇り空
中央展望台にたどり着き
薬王院と つくし湖はっきり
 
今日のカップはシーフード
チタンのフォークで食べました
帰り社務所で水晶玉のお守りを
 
挑戦コースの
猿田彦神社
秋の鳥声森貫(つらぬ)いて
 
 
「岩の踏(ふ)み跡」
 
木の葉の陰の岩付きの道
踏み跡探しは
苔(こけ)のない岩
 
 
「筑波高原キャンプ場から つつじヶ丘へのコース」
 
キャンプ場シーズンオフで無料で駐車
マウンテンバイクの訓練の
数人若者だけの秋
 
林道 秋晴れ明るくて
アキノウナギツカミとミゾソバの花
アザミとメナモミ青空に
 
山水(やまみず) ぬかるみ 沢の水
二股(また)林道右に行く
車は禁止の歩きだけ
 
広い林道広場で終わり
丸太に座れば転(ころ)げてしまい
お菓子を食べて小休止
 
そこはバイクの轍(わだち)跡
林道右へ細くなる所(とこ)
左へ折れる歩道を入(はい)る
 
急な下りを降りていき
森の小道はハイキングコース
踏み跡薄いところあり
 
沢もいくつか越えていく
植林林は踏み跡薄く
テープのマークを頼りに進む
 
再び出たのは別の林道
だらだら坂を花楽しみながら
しばらく登って分岐(ぶんき)を左へ
 
そこは草道突き当たり
つつじヶ丘の建物 木の陰 最後は立派な
階段登る 誰にも会わない静か道
 
つつじヶ丘の西のはずれ
きれいなトイレのそばに出る
そこは広々駐車場
 
ソフトクリーム外の風中(かぜなか)
ロープウェーの客車の外壁
昭和40年製と書かれてあった
 
女体山の頂上の北の大岩降りてみた
岩の周りは少し土あり熊笹(ざさ)と
ナギナタコウジュの花ひっそりと
 
北の斜面は午後の陽(ひ)の
山頂の影
鋭角に秋の森染(そ)め
 
 
「秋の林道」
 
秋の日差(ざ)しの林道は
縄文時代の
明るさまぶしさ
 
 
「紅葉(もみじ)」
 
夕暮れの林道は
空を透(す)かして
紅葉冴(さ)え
 
 
「ススキの原っぱ」
 
山を下(お)りれば夕暮れに
風が出てきて数千の
ススキの白穂は明るく活(い)きる
 
 
「秋」
 
秋の公園
人口増えて
鴨(かも)増える
 
 
「漆(うるし)の木」
 
紅葉の中でも深紅(しんく)の漆の葉
左によけて
登山道
 
 
「キノコ採りの男」
 
鈴付けてガサゴソがさごそ
道のない所(とこ)
小雨(こさめ)の中でも動き停まらず
 
 
「ドングリ」
 
くぬぎコナラに白樫(しらかし)スダジイ
ドングリなでなで手にとって
比べて楽しむ大きさ形
 
 
「秋の日のレンゲの花」
 
春でも珍しレンゲの花が
風とまる河川敷クヌギの多い林の中で
暖か秋の陽(ひ)くるまれて
 
 
「横瀬夜雨の小貝(こかい)川歌碑(ひ)」
 
小貝川 公園北へ人もなく
33年前の碑はやぶれ太鼓をくっきりと
生まれた集落 筑波山
 
 
「八丈(はちじょう)島」
 
八丈島は火山島
南北二つに山あって
間の平地に飛行場
 
歩けば植物生き生きと
ビロウ樹 ソテツにワシントン椰子(やし)
花は珍し極楽鳥花(ごくらくちょうか)
 
十一月でも半袖(そで)の
若者潜水 海の中
釣り船後ろに三角帆(ほ)
 
風力発電 風車が数個
のんびり牛を見下ろしうなる
そこは中腹 八丈富士の
 
露天風呂 雲の合間に満月の
東の海は月きらきらと
船の明かりもない夜は
 
島をぐるっとレンタカー
古い集落 南部の道は
派出所 学校 郵便局が
 
遙(はる)か下には名古(なご)の滝
木造崖(がけ)の展望台は
クサヤを噛(か)めば歴史が流れ
 
登竜峠(とうげ)は細くてくねる
側面石で竜描く
見下ろす港は夕景色
 
ひょうたん型の八丈島は
時間はゆっくりのんびりと
のろのろ車も追い越されずに
 
東京からは45分
あっという間に景色が変わり
人の心も染(そ)められて
 
 
「島」
 
黒潮をたっぷり吸った空気は美味く
肉厚てかてか葉っぱを育て
山には雲が七変化
 
 
「八丈島のカラス鳩(ばと)」
 
周りにはホテルしかない海辺の道で
電線留(と)まったカラスバト
後で調べりゃ天然記念物
 
 
「岩は溶岩」
 
波でもまれて丸い石
島の名物 玉(たま)石垣(がき)も
穴がたくさん溶岩だった
 
 
「極楽鳥花」
 
こんな形の花もあるもの
咲いたばかりの尖(とが)った花びら
ねっとりぬれて南国の花
 
 
「吾妻(あづま)庵と ほたて」
 
古い町並み そば屋と天ぷら屋
明治6年 明治2年の創業の
四代目 五代目 跡を継ぐ人幸せ者の
 
 
「筑波山 迎え場コースとつつじヶ丘コース」
 
今日は神社は七五三
大輪菊花境内(けいだい)を
正装子供の千歳飴(ちとせあめ)
 
神社の東を沢越えて
石の鳥居が登山口
左手大岩思いでの
 
モミの大木 葉を散らし
下を見てても木が分かり
所々は植林檜(ひのき)
 
二股(ふたまた)左は白雲橋コース
今日は右とり迎え場コース
階段整備のハイキングコース
 
数カ所ベンチと東屋(あずまや)が
一カ所小さな沢を越え
両側多くのキノコ道
 
一ヶ月前なかった倒木
二本も松の木道ふさぎ
落ち葉の多い晩秋の道
 
林の隙間(すきま)が明るくなって
見えてきたのはトンガリ屋根の
ロープウェーの下の駅
 
頭の上はワイヤーロープ
太い被覆(ひふく)の電線も
階段上ってつつじヶ丘に
 
神社は静かで風もなく
風も冷たいつつじヶ丘高原
大きなガマと赤鳥居
 
東は立派なホテルもあって
ずっと昔はススキ原
写真マニアが好んだ場所の
 
階段急なセメントの道
見晴らしよくて駐車場
ススキも満開道沿いに
 
孫親老婆の家族連れ
若いアベックジーンズの
犬連れスカート娘さん
 
江戸から続いた茶店あり
今は八代 七十歳代の
名前はずっと弁慶茶屋だ
 
ここは三叉(さんさ)路
白雲橋コースからの
しばらく進めば弁慶七戻りの巨岩
 
高天原(たかまがはら)も岩の上
鉄の階段 鎖場(くさりば)あって
名物大岩数多く
 
特に見るべき出船入り船 仏岩
しめ縄(なわ)飾った北への道は
間近を通るロープウェー
 
ガスはますます唸(うなり)りたて
カツカツカツとロープウェーのワイヤーが
音立て目の前霧走る
 
女体山が近づけば
岩はますます多くなり
細いところは降りる人待ち
 
湿(しめ)って滑(すべ)る岩もあり
ステンレスきらきら光る
鎖場いかにも新しく
 
山頂近くの社(やしろ)には
神主(かんぬし)さんが窓を開け
電気ストーブ赤々と
 
山頂視界は全く効(き)かず
この前降りた巨岩の下も
うっすら霞(かす)んでガス走る
 
下は静かな今日天気 上はすっぽり雲の中
雲の中 突風唸(うな)るミルク霧
こんな日もある筑波山
 
 
「朝の魚市場」
 
氷がらがら魚市場
今は入れ物スチロール
そばで食堂ネギトロ丼(どん)を
 
 
「モミジとイチョウ」
 
木枯(こが)らし強く次の日は
モミジ イチョウが
衣(ころも)替え
 
 
「木の名前」
 
ずっと見慣(な)れた近くの木でも
スダ椎(じい) 白樫(しらかし)
名前分かれば親しみ増して
 
 
「桜の名所」
 
秋の雨降る桜の名所
見る人誰もいないけど
桜の紅葉 華(はな)やいで
 
 
「ディジカメ」
 
家庭での写真は日付が
とっても大事
ディジカメ早く対応を
 
 
「宝鏡山 (小田山)」
 
仏教由来の石塔の
テレビアンテナ幾つもそびえ
筑波山塊東寄り 宝鏡山は461メートル
 
山頂すぐ下
万博記念の森モニュメント広場
秋のさわやかハイキングコース
 
春の桜の北条 大池
そこから北東 道入って
地名 山口 駐車場
 
筑波連山 黄色赤
釣り鐘ニンジン道脇の
目指す頂(いただき)テレビ塔
 
棚田(たなだ)も続く山里景色
最後の人家は広々屋敷
しばらく登りのコンクリート
 
孟宗(もうそう)竹と真(ま)竹の林
クヌギの落ち葉の積もる道
榊(さかき)漆に篠(しの)目立ち
 
アオキの葉陰に沢細く
二股(ふたまた)分岐(き)を左行き
沢を渡って湿(しめ)った落ち葉
 
急坂のぼって切られた篠の
日当たり良くてぽかぽかと
お菓子を食べて小休止
 
沢を渡ってぬかるみを
そこは明るく展望開け
浅間山と日光男体山
 
漆(うるし)の赤が青空と
檜(ひのき)植林 下草刈(か)りの
三十人のボランティア
 
万博の森 7メートルの檜三万本
そこを抜ければ
モニュメント私の名前も彫ってある
 
背景に筑波山を従えて
十八年間銅板は
筑波の風雨が趣(おもむき)与え
 
再び山道 色鮮やかな
民放テレビの合同アンテナまず見えて
山頂は鎌倉時代の石塔鎮(ちん)座
 
石塔側面うっすら仏
手洗い車の石新しく
木造鳥居(とりい)は南向き
 
下りは南へ登山道
しばらく降りればNHKのテレビ塔
小田への別れを右とって
 
山口 新寺 標識たどる
所々で大岩踏(ふ)んで
数本並んだアンテナの下
 
檜林も踏み跡濃くて
迷わずたどる紅葉の道
手作り標識ていねいな
 
登り初めの二股に出て
とことこ下る元の道
そのうち初めの民家が見えて
 
空気が澄んだ秋の陽(ひ)の
思いを大きく吸い込んだ
宝鏡山のハイキング
 
 
「漆(うるし)の紅葉」
 
秋の彩(いろど)る山道に
ひときわ目立つ
漆の深紅(しんく)
 
 
「登った山は」
 
下から眺(なが)める山風情(ふぜい)
登った後とその前は
すっかり変わる思い出めくり
 
 
「釣り人」
 
秋の夕暮れしのびより
風も冷たく遠くの明かり
太公望は黙々と
 
 
「落ち葉」
 
褐色枯れ葉の落ち葉の上に
モミジとイチョウが
追いかけ落ちる
 
 
「秋の公園」
 
秋の公園落ち葉が積もり
モミジとイチョウの
多さ知り
 
 
「常緑樹」
 
秋風に常緑樹さえ
枯れ葉を落とし
落ち葉に混じる
 
 
「電池の自動販売機」
 
単一単二単三と006P
ひなびた町の広場の角に初めて目にした
電池の古びた販売機
 
 
「益子(ましこ)焼き」
 
大きな狸(たぬき)に守られて
素朴な陶(とう)器と町並みは
活気あふれる益子焼き
 
 
「益子(ましこ)の巻繊汁(けんちんじる)」
 
益子焼き窯(かま)元共販センターの
多種の焼き物その隅に
昔もあった熱々(あつあつ)巻繊
 
 
「真岡市の金鈴荘」
 
明治時代の木綿問屋の豪商の
紫檀(したん)黒檀(こくたん)床の間は
触(さわ)ればすべすべ時代を閉じこめ
 
 
「低山の紅葉」
 
山間(やまあい)の道を車で
一本一本 木々見えて
一山紅葉 色暖かく
 
 
「イチョウの葉」
 
枝になく
地面を敷き詰め
イチョウの葉
 
 
「十二月の柳」
 
葉っぱの色が明るくなって
次第にすけすけ
しだれ柳の十二月
 
 
「十二月の朝」
 
北風吹いて空澄(す)んで
枯れ葉の芝生に
彩(いろど)り与えるクローバー
 
 
 
「筑波山 薬王院とミカン園」
 
薬王院の紅葉と
北限ミカンの観光農園
赤と黄色のハイキング
 
北風勢い増してきて
つくし湖 釣り人のんびりと
車を置いてハイキング
 
落ち葉丸まり道埋(う)めて
北風止まる日だまりに
柚(ゆず)の実たわわ黄緑の
 
楓(かえで)が飾る展望台は
周りの木伸び
見晴らしなくて
 
大きな岩のその上は
祠(ほこら)が一つ鎮座して
そばには古石 字も読める
 
急坂登り駐車場
見晴らし広々一休み
薬王院はすぐそばに
 
薬王院のすぐ脇に
フクレミカンの大きな木
老木スダジイ500年
 
階段わきには古い歌
一銭まんじゅう蓄音機
おそらくこの歌 戦前の
 
本殿の屋根の修復もう終わり
仏様にお参りし竜の口から水を飲み
力一杯鐘を突く
 
東の庭の弁天池は
低い鳥居に大岩が
モミジは染める池の水
 
急な石段 仁王門
大きな下駄(げた)とワラジあり
スダジイ巨木をしばらく見とれ
 
モミジ日を浴び輝きまして
小さい祠(ほこら)の登山口
道幅広く整備され
 
22人の登山客
あいさつ交わして登りゆく
林道交差岩の上お菓子と水で小休止
 
これから林道ハイキング
ゆっくり下りを楽しんで
車止め下界を眺める人一人
 
双眼鏡で見渡せば
北風強く空気澄み見えるビル影東京の
東京タワーNTTドコモビルもくっきりと
 
右手の名水のど潤して
ぶつかるT字路イチョウの落ち葉
そこにも紅葉道飾り廃業寂しいみかん園
 
しばらく下れば広々ミカン
入園料は300円の それで園内食べ放題の
フクレミカンに温(うん)州ミカン
 
筑波山 万葉集にもミカンの歌あり
店の人フクレミカンは昔から
岩に座ってたらふく食べて
 
フクレミカンは小さなミカン
レモン色 種は多いが酸味も混じり
ぷくぷくふくれた濃い味わいの
 
観光農園数軒あって種なし柚も売っている
気温の逆転 逆転層の
上にあるから暖かく有機肥料のみかん園
 
夕焼けまぶしい下り坂
つくし湖見えて夕暮れ迫る
モミジとミカンのハイキング
 
 
「十二月のアオキ」
 
十二月 日陰のアオキが華(はな)やいで
赤い実たくさん身につけて
ムラサキシキブと道飾る
 
 
「椎(しい)の実」
 
椎の実は生で食べても苦(にが)くなく
煎(い)ってかじれば
暮れの珍味に
 
 
「有機肥料」
 
観光みかん園
肥料は客の
食べた皮
 
 
「椎(しい)の老木」
 
黒くてごつごつ重みがあって
それでも葉っぱは若木と同じ
幹(みき)に触れば五百年
 
 
「吾国(わがくに)山と黄緑の鳩(はと)」
 
空は真っ青(さお)十二月
笠間(かさま)と八郷(やさと)の境目の
字だけの大きな道祖神
 
道祖神峠を西に林道が
そこにスペース車数台
林道脇(わき)には歩道があって
 
県立施設の洗心館の
和風の作りの狭き門
聖書の言葉が書いてあり
 
歩道は桜の木があって
キャンプに作業にプラネタリウム
青少年の育成を
 
しばらく林道遠ざかり
階段登って林道越えて
頂上目指す登山道
 
幅は広くて手入れされ
ゴミの一つも見あたらぬ
周りは檜(ひのき)とアオキの木
 
所々は雨水地を掘り
木々の根っこも見える道
ここは県立公園のハイキングコース
 
道が左に曲がる所大きな野鳥が飛び上がり
道脇枝でこちら見て
見れば黄緑 鳩(はと)に似て
 
双眼鏡でよく眺め
色と形を頭に入れて
持ち直した動きでアオバト飛び去った
 
まもなく石垣見えてきて
回っていけば人の声
登山の夫婦の食事中
 
田上神社 吾国山神社
石垣上に祠(ほこら)あり
賽銭(さい)供(そ)えてゆっくり拝む
 
今日の快晴澄(す)んだ空気に
雪をかぶった富士山と
加波(かば)山 筑波山 宝鏡山も
 
双眼鏡で一回り 牛久の大仏
霞ヶ浦と涸(ひ)沼の水もきらきらと
高層ビルの県庁と大洗のマリンタワー
 
今日のラーメン豚骨の
まわりはブナの白い幹(みき)
片栗(かたくり)原は囲ってあって
 
ブナの大木 大きなアカシデ
下は枯れ葉のかさかさと
木の枝越しに笠間市の
 
筑波山とはまた異なった
きれいに整備の518メートル
吾国山は冬の光がまつわり付いて
 
 
「唐松(からまつ)の落ち葉」
 
松でも冬には落ち葉があって
柔らかふかふか
道を埋(う)め
 
 
「小雨と太陽」
 
曇りの散歩は雨混(ま)じり
太陽黄色に隙間(すきま)から
遠景くっきり生き返る
 
 
「土手」
 
冬の土手には野菜の葉っぱ
太陽浴びて大きく伸びて
春の菜の花 楽しみな
 
 
「五万分の一と二万五千分の一」
 
それとこれとは大違い
山をてくてく歩くには
やっぱり後者がありがたく
 
 
「強風の難台(なんだい)山」
 
道祖神峠(とうげ)に車とめ
小さな白い二人像
大きな字だけの石碑(ひ)から
 
鎖(くさり)の車止め
二股(また)道を左取り
枯れ葉が厚いふかふかの道
 
しばらく登れば十字路あって
右への道が登山道
帰りの道をはっきり覚え
 
丸太の階段長々と
周りは檜(ひのき)アオキ 篠(しの)
大きく育った山桜
 
道幅広く県立公園
霜柱所々は地面が凍り
金属石突(づ)き杖(つえ)打ち込んで
 
風は唸(うな)ってぱらぱらと
檜(ひのき)の枯れ葉が雪となる
見れば緑の檜の葉まで
 
コブ三つ通り過ぎ
滑る坂道ロープを伝(つた)い
いつの間にかにクマザサ増えて
 
山頂553メートル
石の小さな祠(ほこら)あり
金属製の見晴らし地図と欠けた三角点
 
そこは少々広場があって
お湯を注いで辛ラーメンを
そのうち周りは登山客たち
 
ガスでおでんを食べる人
ぐるっと配る缶ビール
ちょうど今は十一時
 
お先にと東へ下る峠を目指して
屏風(びょうぶ)岩 ししヶ鼻
そこから巨岩がちらほらと
 
老夫婦登山客
いろいろ話して別れを告げて
ロープも数カ所張ってある
 
コブを幾つか越えていき
大きな岩の団子(だんご)石
古い団子石峠さびて字読めぬ指導標
 
白い自動車見えてきて
林道交わる新団子石峠
立派な石のテーブルと椅子(いす)
 
そこから歩道は愛宕(あたご)山へ
今日はここから折り返す
林道出来たは88年
 
霜柱所々はアイスバーン
枝さえ折れた強風の
スズラン自生地看板直し満足心の難台山を
 
 
「鳥のシロハラ」
 
朝の散歩の木の上で
シロハラ ころころころころと
姿と鳴き声初めて一致
 
 
「冬の芝生」
 
冬の芝生は色暖かく
北風吹いても
朝日の中で
 
 
「クリスマスイブ」
 
風もなく
しだいに星数増えていく
今年もついにクリスマス
 
 
「尾長ガモ」
 
暮れの水面冷えてきて
水を切りますます元気な
尾長ガモ
 
 
「年の暮れ」
 
出してしまった年賀状
いらないものを整理して
やっと気分は年の暮れ
 
 
「十二月の雪」
 
朝起きて雪あって
喜んで車乗り
ディジカメ撮(と)って十二月
 
 
「お正月」
 
南国の明るく暖かお正月
幼なじみの顔忘れ
思い出話に同じ家
 
 
「故郷」
 
何もかも変わったが
変わらぬ神社が
うれしくて
 
 
「残雪正月筑波山」
 
南斜面は雪なくて
正月登山の大にぎわいは
ケーブルカー沿(ぞ)い登山道
 
御幸(みゆき)ヶ原は雪残り
日陰の自然研究路
アイスバーンでツルツルの
 
冬でも開いたトイレのそばで
付けるアイゼン6本爪(づめ)の
ユース跡コースを下りゆく
 
上部の下りは雪凍り
こりこりこりとアイゼン鳴って
気分さわやか雪の道
 
下っていけば雪消えて
出会った登山者十人近く
アイゼン快調土の道
 
ユース跡の駐車場
こちこちこちのアイスバーン
数台車は皆四輪駆(く)動
 
加波山峰も近く見え
遠くは雪の日光男体山
御影(みかげ)のテーブル椅子土付いて
 
林道下れば
Uターンの普通自動車空回り
四輪駆動の威力知り
 
登りの道は男の川コース
男の川橋からスタートし
雪はほとんど見あたらず
 
イノシシ掘った山腹を
会う人今日は誰もいず
静かな正月裏筑波
 
薬王高原たどり着き
雪が次第に多くなり
階段登って自然研究路
 
大石重ねで三人女性
南のコースは雪わずか
聞いて回るは日陰道
 
雪がたくさん階段を
アイゼン頼もし
足取り軽く
 
閉じたトイレのアイスバーン
難なく抜(ぬ)けて
御幸ヶ原へ
 
三個串刺し焼き団子(だんご)
ポカリスウェット腹にしみ込み
下ったコースはケーブルカー沿い登山道
 
下りもにぎわう登山客
中学生の柔道部
走って登るは初稽古(げいこ)
 
冬の筑波はがらっと変わり
特におもしろ北斜面
アイゼンあれば鬼に金棒
 
 
「家庭用大型テレビ」
 
32インチ大型テレビ
重さはなんと50キロ
薄型大型40キロも
 
 
「ヒマラヤスギの松かさ」
 
初めて見たよ松かさを
幹(みき)とお似合い立派なものだ
納得したよヒマラヤスギは松科だと
 
 
「無風」
 
風なくて
日差し強まる
年明(あ)けて
 
 
「ヒマラヤスギの松かさ」
 
初めて見たよ松かさを
幹(みき)とお似合い立派なものだ
納得したよヒマラヤスギは松科だと
 
 
「筑波山 野生の猪(イノシシ)」
 
梅林隣のシシ鍋屋
久しぶり
みそ味たっぷり野生のイノシシ赤身肉
 
料理を運んだ娘さん
この店近くに夜イノシシが
一年前から数匹も
 
おばさん来ているイノシシが
私も早速飛び出して
家族か四匹暗がり広場
 
まるまる太ったイノシシ一つ
目玉キラキラこちらを見てる
後の家族は後ろ側
 
斜面の藪(やぶ)に姿消し
バケツに餌(えさ)のおばさんが
懐中電灯 山道一匹
 
しばらく店に戻った後に
再び暗がり目をこらし
イノシシ家族も食事中
 
 
「冬の風」
 
冷たくて激しい風は
冬の魂(たましい)
込(こ)めて吹く
 
 
「水鳥」
 
水鳥は
日向(ひなた)ぼっこも
水の上
 
 
「サボテン」
 
雪耐えて年明けて
外のサボテン
緑色
 
 
「大型店の閉店」
 
見慣れた丸形ネオンも足場
所々に部屋明かり
思い出多い店閉(し)まり
 
 
「冬の夕焼け」
 
冬の夕焼け熱こもり
一筋(ひとすじ)まっすぐ飛行機雲が
この世の宝を見た思い
 
 
「冬でも」
 
車のそばの草緑り
周(まわ)りはすっかり冬模様
北風止まるスポットか
 
 
「旧道」
 
旧道はひなびた店と
町の匂いの
ほんわかと
 
 
「風のない冬の日」
 
風のない日はランナー多く
キツツキこつこつ
幹(みき)回る
 
 
「冬の落ち葉」
 
ふかふか厚くて
気持ちよい
秋の名残(なごり)の靴(くつ)の下
 
 
「肉刺(まめ)」
 
肉刺できて
今日は坂道
思いだけ
 
 
「青空」
 
絵の具のような
冬の青空
澄(す)んでいて
 
 
「冬のクジャク」
 
寺の境内(けいだい)片隅の
数羽集まり冬ながら
一羽大きく羽広げ
 
 
「江戸時代の絵馬」
 
天井深く暗がりに
色落ち大きな絵馬数枚
聞けば時代は江戸の頃(ころ)
 
 
「茶の生け垣(がき)」
 
お茶の生け垣なかなか良いな
目には見渡せ人入れず
五月になれば新茶飲め
 
 
「豚のすき焼き」
 
味はさっぱり肉軟らかく
グツグツすき焼き電気鍋
冬の寒夜はこれが一番
 
 
「池の鯉(こい)」
 
背びれ二つが水面上に
鯉ヘルペスは来てないと
一(ひと)安心の池の鯉
 
 
「公園吾国山の登山」
 
道幅広々整備され
靴(くつ)跡多数重なって
それでも急坂直登の
 
 
「山頂のマウンテンバイク」
 
自転車三台持ち上げた
若者さわやか
冬の山頂
 
 
「小田城跡」
 
ケヤキの大木根元だけ
発掘すすみ時代とともに数個の石碑(ひ)
冬の夕焼け包み込む
 
 
「池のカモ」
 
泳いで走って楽しげに
鳥インフルエンザも別世界
渡りの季節も近づいて
 
 
「葦原(あしわら)」
 
枯(か)れた葦原冬模様
小鳥餌(えさ)取り大忙しの
メジロにエナガにシジュウカラ
 
 
「立春過ぎて」
 
風はまだまだ冷たいけれど
枯れ草原は光満ち
五時でも明るい春間近か
 
 
「残雪難台山」
 
登る坂道雪少し
山城跡は石のみで
変わらぬ日照らす朽(く)ちた案内板
 
 
「登山の食事」
 
手軽で美味(うま)くて腹一杯の
カップラーメンおにぎりと
食べりゃとことこ上り坂
 
 
「登山道」
 
秋の落ち葉は今残り
かさこそかさこそ丸みを帯びて
まだまだ土には戻らずに
 
 
「柳の芽」
 
風なく暖か柳の木
ルーペでのぞけば
守られ伸びた芽が頼もしく
 
 
「筑波隠(かく)し」
 
筑波山 峰は三つで何と言う
女体山 男体山あとの一つは地元に聞けば
名前もおもしろ 筑波隠し と
 
 
「霜」
 
朝の車のガラス窓
霜が付くのは後何回か
梅の花びら初々(ういうい)しくて
 
 
「バレンタインデー」
 
初鳴きホオジロ 一筆奉(たてまつ)る
朝の赤松梢(こずえ)の上で
野鳥もくれるチョコレート
 
 
「春一番」
 
大きくて
ふっくらぼあっと
春一番が
 
 
「パープルライン」
 
車道を歩く30分
走り屋とばす唸(うな)り音
ほっと一息登山口
 
 
「山道」
 
この分岐(き)点
十数年前ぬかってた
今日も湿(しめ)って山水か
 
 
「道標」
 
背中は虫食いぼろぼろの
18年の年月を
万博の森 指し続け
 
 
「万博の森記念碑(ひ)」
 
コンクリートと銅板の
筑波の山を背景に
草も刈られてボランティア
 
 
「オオイヌノフグリの花」
 
明るい青に白い線
小さな小さな花だけど
春の吐(と)息をただよわせ
 
 
「ホコリ」
 
人知れず
年月数える
白ホコリ
 
 
「建物」
 
新しいうちしか見られぬ
景色は広々
なつかしく
 
 
「配線」
 
電気の配線いつまでもつか
ドライバーにペンチを持って
外(はず)せばすっきり安心で
 
 
「大地から」
 
二月下旬は
大地から春のお祝い
緑の新芽が届けてくれる
 
 
「汗」
 
部屋ではあるが
力使って汗かいて
体の中も春準備
 
 
「初めてのタンポポ」
 
梅の季節のタンポポ一つ
花は地面にくっついて
小さな葉っぱに黄色は鮮(あざ)やか
 
 
「タネツケ花」
 
小さな小さな花だけど
花の少ないときの花
見つけた片隅(すみ)うれしさは
 
 
「合格祝い」
 
合格祝いは女の子
スウィートレッドの超薄型の
軽くて小さなディジカメは
 
 
「山道」
 
人の少ない登山道
春の気配(けはい)の小さなキブシ
赤い実 鈴なりアオキの木
 
 
「乾いた土」
 
人の希(まれ)な山道は
落ち葉も丸く踏(ふ)み跡見えず
乾いた土のみ靴(くつ)跡残り
 
 
「底冷え」
 
三月三日のひな祭り
日暮れは底冷えしんしんと
暖冬がらっと梅の花
 
 
「梅の香り」
 
白梅眺(なが)めて紅梅見つめ
そこでおもむろ梅の香流れ
ついに今年も三月初め
 
 
「車検」
 
愛車はもはや13年の
車検はほのぼの春の日で
いつもワックスかけてやり
 
 
「柳の新芽」
 
夜の雨
あがって新芽は白産毛(うぶげ)
朝風柔らか暖かく
 
 
「冬のサボテン」
 
長年サボテン初めて戸外で冬越した
トゲの周りは赤褐色に
春は次第に濃くなって
 
 
「梅林」
 
今年は舞台も出店(でみせ)もなくて
紅梅白梅広々と
梅茶と野点(のだて)の風強く
 
 
「梅花の香り」
 
今年の梅はよく香る
暖冬続いたせいなのか
思いがけなく梅気づく
 
 
「春風」
 
ジンチョウゲ梅の花
交互に運ぶ
春風さんは
 
 
「土ぼこり」
 
青空を今年も黄色に
春の勢いますます増して
風にまたがり押しよせる
 
 
「新芽」
 
尖(とが)った新芽が双葉になった
空気もどんより暖まり
若葉吸い込む春息吹(いぶき)
 
 
「白壁」
 
いつも見慣れた白壁が
春の朝日で白さ増し
いよいよ春が動き出す
 
 
「細枝」
 
遠目にも
細枝黄緑
春芽吹き
 
 
「緑化運動発祥の地」
 
平地から林道たどり春の陽(ひ)満ちて
70年前記念の石碑(ひ)
キブシの房花 道飾り
 
 
「初音(ね)」
 
ヒバリの声を聞きたくて
山の裾(すそ)野の小川のほとり
代わりにソバ屋でウグイス初音
 
 
「落ち葉」
 
林道歩けば立て札あって
落ち葉持ち去るべからずと
そうか落ち葉は大切な
 
 
「春の一雨」
 
春の一雨 次の日は
野草の緑がぐんと増え
コブシの花も空に輝き
 
 
「白木蓮(もくれん)とコブシの花」
 
あのときの新宿御苑(ぎょえん)の白い花
何の花かと数十年
今は木蓮コブシが春込(こ)め
 
 
「筑波山 春の雪と雲海」
 
昨日(きのう)は下はミゾレ降り
今朝(けさ)は濃い霧一面の
今日の登山は猿田彦神社コース
 
赤い大きな鳥居のそばで
車を止めて見上げてみれば
男体山も女体山も雪化粧
 
双眼鏡を見せてあげれば
そばの女性の登山客
歓声あげて喜んで
 
まずは梅林目指(ざ)して山道
雪は全く姿なし
梅林手前で右折れて
 
次の十字路左折する
石には赤いペンキで十字
道はぬからずよく湿(しめ)り
 
アオキの赤い実 榊(さかき)の青葉
逆ト字路左に折れて
まもなく赤字で矢印あって
 
そこを左は別ルート
梅林上への林道の
沢の短い橋への道だ
 
今日はまっすぐ登りゆく
そろそろ雪が目に入る
ト字を右へととことこと
 
大きなモミの木その間
うっすら道が見えるとこ
それを進めばV字谷へ行くそうな
 
今日はまっすぐ祠(ほこら)を目指す
小さな椿(つばき)の間に祠
5円玉一つあり私も供(そな)える7円を
 
この後岩が多くなり
雪も次第(しだい)に増えてきた
前人一人踏(ふみ)み跡残し
 
岩は黒々雪の中
雪を払って岩越えて
赤いマークに安心し
 
新雪さくさく気持ちよく
杖(つえ)の先ピカピカきれいに
軍手はそのうちぐっしょり濡(ぬ)れて
 
もちろん新雪 アイゼンいらず
ザックに縛(しば)る防寒衣
木々はすっかり雪載(の)せて
 
時々落ちる木からの雪は
頭に落ちてご挨拶(あいさつ)
今日ははっきり国松コースとの合流点
 
急に雪かさ増してきた
ステッキ潜(もぐ)る数十センチ
新雪あくまで清らかで
 
雪を払って三角点を
ディジカメ収(おさ)めるコブの上
雪はますます深くなる
 
短いロープで岩のり越えて
左の尾根が木々の間に
こちらの尾根も靴(くつ)埋(う)まる
 
右手の木の間なんだか真っ白
これは何かと分からずに
それは初めて筑波の雲海
 
長いロープは雪の日は
特にありがた急斜面
そこでの雪はほかほか柔らか
 
雪の景色で人の遠声
それは西の展望台から
最後の雪の坂登る
 
研究路 舗装(ほそう)の側面
今日は雪隠れて少し
黒々水平人工物の
 
西の展望台
雲海真っ白見えるもの
富士山 日光男体山 宝鏡山
 
この雲海の下は濃霧の
濃霧の上面平らから
そのうち黒い筋(すじ)はいり
 
空は青空まぶしくて
この展望台にも雪だるま
ディジカメたくさん撮(と)りました
 
今日のコースは猿田彦
新雪ほんとに楽しくて
おまけに初めて 筑波の雲海お出迎え
 
 
「山の店」
 
春の雪
総出で雪かき水まいて
山の店並(な)み大忙しの
 
 
「雪の表情」
 
急な山坂ふかふかで
木から落ちるの濡(ぬ)れていて
風吹く尾根のは表面固まり
 
 
「春の雪」
 
山の木々 朝には真っ白雪化粧
下から遠目に
午後には消えて
 
 
「人工物」
 
自然の中を長時間
初めて見たとき人工物を
何ともいえない感慨あって
 
 
「筑波山 V字谷の東尾根コース」
 
花が少なく終わりになった梅祭り
空(す)いた第一駐車場
そこから今日はV字谷の東尾根コース
 
梅林入り口アーチを抜(ぬ)けて
猪鍋(ししなべ)看板筑波荘
左手細道上り坂
 
スミレの紫春の色
イノシシよけの電線敷地
焼き物窯(かま)も左手に
 
十字路左は梅林へ
今日はまっすぐ登りゆく
倒木枝付き道ふさぎ
 
巻き道しっかり踏(ふ)み跡が
しばらく登ると十字路が
赤いペンキで石に標識
 
左は猿田彦コース
右は第三駐車場
今日はまっすぐ上り坂
 
まもなく小さな沢あって
左にケルン石積(つ)んであり
そこを左へ折れていく
 
倒木乗り越え静かな道に
春の野鳥の喜びの
アオキの赤い実道飾り
 
沢がそのうち現れて
下の石に赤マーク十字路の
右への沢は真ん中モミの木
 
その根っこ白いお皿にお賽(さい)銭
私も十円付け加え
この沢登ればV字谷へと行くコース
 
今日の尾根
その沢手前数メートルの
赤いペンキで矢印登山口
 
これは尾根道 立身石への
自然の豊かな楽しいコース
赤いマークはていねいな
 
たいした岩場もそこにはなくて
安全安心尾根コース
途中に一つ人工物が
 
それは高さが1メートルの
宝きょう印塔らしきもの
筑波の古寺と関係あるか?
 
左の遠くの藪(やぶ)の中
おそらくイノシシその音が
急な土道足場が作られ
 
大きな岩が木の陰に
立身石への到着だ
そこは男体山の自然研究路
 
3月27日の研究路
今年の片栗(かたくり)咲き始め
春の陽がよく当たるとこ花反(そ)り返り
 
V字谷の右尾根コース
なかなか変化に富んでいて
人の少ない面白コース
 
 
「春の山道」
 
人の少ない春の山道
枝が点々切られて落ちて
歩きやすさに道整備?
 
 
「桜雨」
 
ほてった花びら適度に冷やし
花期ずっと長くして
おまけに滴(しずく)と花びらが
 
 
「山道」
 
初めてコースを作る人
ヤブコギ迷ってその勇気
やはり立派な方だろう
 
 
「夕暮れ桜」
 
桜土手道ずっと伸び
春の夕日を浴(あ)びピンク
そのうち暗くぼんぼり灯点(ひとも)り
 
 
「青空桜」
 
青空の青
桜の花の白ピンク
心を浮かす色の組
 
 
「里山(さとやま)桜」
 
何十年たっても変わらぬ道たどり
古びた階段 春の陽(ひ)の
鬼子母神 老木桜は周(まわ)りを照らす
 
 
「遠目桜」
 
ぽっかりぽかりと隣(となり)の山の山桜
夕暮れ細長 対岸桜
ほんわり白くたなびいて
 
 
「山桜」
 
今年も遅れて葉と一緒(いっしょ)
山桜 真っ白花びらピンと立て
桜の終わりを飾ります
 
 
「夕日の山桜」
 
色白美人のお花です
それでも夕方 陽(ひ)を浴びて
赤くも染(そ)まる山桜
 
 
「ツクシ」
 
人の見に来ぬ桜の下の
ツクシは清らか
両手いっぱい夜のおかずに
 
 
「桜に気をとられ」
 
桜ばかりを見上げていたら
いつの間にかに春の花
筆リンドウにヘビイチゴ
 
 
「カタクリの花の大群生」
 
息を切らして急坂登り
紫の花 数十万本カタクリ乱れ
桜の終わりを忘れさす
 
 
「喫煙所」
 
ついに戸外に追い出され
おまけに壁なし吹きさらし
禁煙早めで良かったことよ
 
 
「八重(やえ)桜」
 
桜の話題が消えた頃
ぽってりピンクの八重桜
初夏の日差しに落ち着いて
 
 
「畜産」
 
狂牛病と鳥インフルエンザ
展示のコーナーすぐそばの
広場は子供が牛 山羊(やぎ)馬と
 
 
「衝突実験」
 
50キロ車の衝突 音は意外に小さくて
ダミー人形ガラスをへこまし
前部の部品は周(まわ)りに散った
 
 
「ニュートリノ」
 
B-ファクトリーの中程に
神岡(かみおか)目指してまっすぐに
地面の中を走ります
 
 
「凧(たこ)」
 
幾何学型の凧展示 三千メートル空中に
回転式の小屋からあげた
そこは昔に写真撮(と)り
 
 
「震度6強 体験」
 
40人ほど床(ゆか)に乗り 地震体験
震度6 手すりにつかまりヘルメット
初めの一撃(げき)心に残る
 
 
「アズマイチゲ」
 
沢沿(ぞ)い山道
清らか白さ
アズマイチゲの一輪の花
 
 
「カメラマン」
 
山の花撮(と)りカメラマン
望遠レンズを用意して
三脚かついで山登り
 
 
「四月末でも」
 
チョコレート
ザックで溶(と)ける
四月末
 
 
「二輪草」
 
沢の陰 小さく群れて白い花
二輪草 雪の白さが
春に顔出し
 
 
「御幸(みゆき)ヶ原」
 
手すりも立派に広場広がり
カタクリ祭りのガマ口上(こうじょう)
戦前標識石造り 筑波山御幸ヶ原は
 
 
「宇宙センター」
 
一番人気の宇宙センター
お祭り気分で宇宙ステーション
組み立て現場をガラス越し
 
 
「野鳥のコルリ」
 
背中は暗い青色の
山道下るクマザサの中
引っ込み思案のコルリさん
 
 
「深山(みやま)カタバミ」
 
葉っぱは大きめカタバミの
花は白くて沢沿いに日陰で目立ち
なかなか図鑑に出てなくて
 
 
「一輪草と二輪草」
 
沢の周(まわ)りは花盛り
白い花 一輪草と二輪草
春の空気と澄(す)んだ山水(やまみず)
 
 
「筑波山 白滝-桜山キャンプ場-つつじヶ丘コース」
 
連休 快晴 筑波山
古びた登山道 白滝-つつじヶ丘コース
誰にも会わない静かなコース
 
赤い鳥居の駐車場
車を置いて筑波山神社へ
橋を右へと登山口
 
石の鳥居をくぐり抜け
つつじヶ丘へと登り行く
これは迎え場コース
 
なじみの道はすがすがしくて
まもなく着いたつつじヶ丘へ
そこで座って一休み
 
今日は山頂目指さずに
今来たコースを数分戻り
右手に建物 給水タンクか
 
そこを左に下る道
私は初めて嬉(うれ)しくて
靴跡見えぬ自然道
 
コースはしっかり見やすくて
時々電線上に見え
小鳥もさえずり四月末
 
いくつか小さな沢越えて
しっとり湿った山林香り
若葉の色もうきうきと
 
数本丸太の丸木橋
しっかりしたもの一本だけで
後は朽(く)ち果(は)て気をつけて
 
そばの小枝を握(にぎ)って渡る
沢音しだいに森響き
車の音も混じって来
 
そのうち木陰に車道の車
最後にコンクリートの溝飛び越えて
着いた車道は桜山橋の数メートル東
 
しばらく車道を下っていって
ガードレールの左に道が
これは桜山キャンプ場への道
 
そこを入(はい)って
数分で古びた建物キャンプ場
ちょうど満開 八重桜
 
桜を植樹 数百本も
明治時代と昭和の時代
記念の石碑(ひ)が左手に
 
そのまま進むと
建物と小さな小屋が付属して
そこの右手に大岩二つ
 
岩には白滝ペンキで教え
この道古くて歴史あり
急な下りも危なくなくて
 
白滝神社の社(やしろ)の後ろ
なじみの神社に手を合わせ
苔(こけ)むす岩を下りゆく
 
杉の大木しめ縄あって
誰もいない静かな白滝
上段の滝は2条 下段の滝は3条の
 
そばの大岩 不動様
小さいながら歴史を刻(きざ)む
カップラーメン滝見て食べた
 
ガマの石像 真新しくて
ここからは林道下る
立野 臼井(うすい)沼田の平地
 
ぐるっと歩く山里の道
現の証拠の花咲き乱れ
田植えの水と耕運機
 
つくばの駅に着きました
今は線路はなくなって
リンリンロードとバス停タクシー乗り場
 
駅のそば石の白い鳥居(とりい)をくぐり
車道をてくてく登りゆく
ここのタンポポ 関東タンポポ
 
そのうち初めの赤大鳥居(おおとりい)
つつじヶ丘から桜山 白滝コース
今はすっかり寂(さび)れたコース
 
大型連休 筑波山
味わい深いコースです
小鳥も木々も初夏模様
 
 
「塩屋崎灯台」
 
断崖(がい)絶壁 初夏の花
白く乾いた空気の中に
さらに真(ま)っ白 灯台カモメ
 
 
「勿来(なこそ)の関」
 
六国道と高速道路に挟(はさ)まれて
今でもくっきり勿来の関は
時代を込(こ)めて八重桜
 
 
「野口雨情 記念館」
 
全部が記念館 海と国道その間
作者知らない馴染(なじ)みの歌が
みんなみんな雨情作
 
 
「鵜(う)の岬(みさき)」
 
強風海風 体を揺(ゆ)らし
小さな半島 昔を守る
今は希なる関東タンポポ 春リンドウが
 
 
「大きな神社の裏山」
 
有名神社の裏山は
細道 野草が満(み)ち満ちて
時代たっても変化無く
 
 
「五月風」
 
夕暮れの
空を楽しむ
五月風
 
 
「四月と五月の差」
 
山道の
背中の汗で
五月知り
 
 
「チーズとワインとフランスパンを」
 
下山の途中
周りの景色が盛り上げた
山の話と美味いただいて
 
 
「山水(やまみず)」
 
のどは渇(かわ)いていなくても
コップ三杯
すっきり飲めて
 
 
「子供連(づ)れ」
 
子供つれての登山の家族
思わず励(はげ)ます
すれ違い
 
 
「靴底のクッション」
 
衝撃吸収 新素材
たったの千円買ってみて
こんなに変わる履(は)き心地
 
 
「落ち葉」
 
人の少ない山道は
去年の落ち葉がまだ積もり
こんな道こそ嬉(うれ)しくて
 
 
「後戻(もど)り」
 
登山のコツは後戻り
進んで戻って
また進む
 
 
「野鳥でも」
 
キジバトもアオジもあのとき
公園の歩く足下 2メートル
かわいさ寂(さび)しさ入れ混(ま)じり
 
 
「ハマナスの花」
 
夕日 海面 日本海
ピンクのハマナス
紅と燃(も)え
 
 
「たらい船」
 
のんびりユラユラたらい船
花笠(はながさ)もんぺの娘さん
漕(こ)がしてもらえば手に負えず
 
 
「金山」
 
硬い岩盤入り組む穴は
金への執着 岩にしみ
金塊(かい)撫(な)でてウームウム
 
 
「お地蔵さん達」
 
海岸素朴なお地蔵さんは
体寄せ合い
ハマナス飾る
 
 
「風力発電」
 
佐渡の峠(とうげ))のプロペラは
風が吹いても回らずに
新緑一面 白く立ち
 
 
「朱鷺(とき)」
 
手厚く保護の金網の
遠くに白く羽ばたいて
いずれ森へと帰る日を
 
 
「丸太」
 
岩がごろごろ波打ち際(ぎわ)の
そこに一本 丸太あり
ささくれた白い表面 尊敬心が
 
 
「岩の小島」
 
絶景小島
振り返り見れば陸地は尾根の先
これが小島がある理由
 
 
「島の海面」
 
月光 海面 八丈(じょう)島の
入り日 海面 佐渡島
島と 月 日は海つなぐ
 
 
「金箔(ぱく)ソフトクリーム」
 
アイデア商品 佐渡金山の
思わず食べた
金箔ふりかけソフトクリーム
 
 
「筑波山 住吉神社・秋葉神社コース」
 
筑波梅林から立身石へのコース
途中 分岐(き)がいくつもあって
上部でV字谷東尾根コースと合流し
 
梅林駐車場に車を置いて
猪(しし)鍋屋筑波荘の西の道
とことこ登る 猪よけ電線張ってあり
 
最初の十字路まっすぐ進む
倒木まいた脇道あって
石に十字の赤ペンキそれも直進
 
30メートル進んだところ
左にケルンが積んであり
ここも直進
 
またまた現れ十字路が
岩にペンキでマークあり
それも直進
 
倒木あっても大丈夫
檜(ひのき)の植林目立つ道
まもなく大岩その下に木製祠の住吉神社
 
左にスダジイ従えて
ギンリョウ草と立浪(たつなみ)草が
ここは尾根の東斜面
 
左に道はくねっていって
急な坂道登ります。
まもなく二つめ秋葉神社が
 
これも木製小さな祠(ほこら)
山桜 モミの木そびえるその間
ここでもお賽銭(さいせん)
 
しばらく登れば岩に逆トのマーク
ここは左に曲がります
今日初めての左折です
 
このあたり左が谷で右が尾根
岩にペンキでト字マーク
ここもまっすぐ登りゆく
 
まもなくV字谷東尾根コースと合流す
そこには木立にト字マーク
後は順調 枯れ葉道
 
最後のト字道 右行けば
立身石の巨岩見え
これから回る自然研究路 御幸ヶ原へ
 
岩の洞窟(どうくつ)見たければ
立身石に着く手前
最後のト字道 まっすぐ行けば
 
左は断崖(だんがい)細い道
しばらく進めば大岩あって
それには洞窟 神秘的
 
住吉神社・秋葉神社コース
変化に富んだ自然道
誰にも会わない登山道
 
 
「鯉(こい)ヘルペス」
 
公園名物池あってついに立て札立ちました
入れ込み持ち出し禁止です
池には元気な緋(ひ)鯉もいます
 
 
「ヤマボウシの花」
 
葉っぱの上に白い花
梅雨(つゆ)も近づく六月の
景色引き締(し)めヤマボウシ
 
 
「枕木(まくらぎ)」
 
まだ出来たての喫茶店
塀(へい)と駐車場
古びた枕木 時代をにじませ
 
 
「梅雨の前」
 
空気が澄(す)んだ梅雨の前
雀(すずめ)元気な
昼下(さ)がり
 
 
「小さな山でも」
 
小さな山でも隅々(すみずみ)までも
知り尽くすことなど
出来ぬこと
 
 
「千鳥(ちどり)」
 
千鳥こちょこちょ走るとこ
地球の息吹(いぶき)の
残るとこ
 
 
「結婚式」
 
ガラス張りチャペルの中で神父様
お伽(とぎ)の中の若者は
心の中で何想(おも)う
 
 
「健康診断」
 
自分の体と車を比べ
よく似たところに
感心し
 
 
「夏椿(なつつばき)」
 
夏椿 ヤマボウシ
肩をそろえて同じ白
梅雨(つゆ)の初めの空気の中で
 
 
「カッコウ」
 
朝と昼 違った場所でカッコウが
羽を振り下げ鳴き続け
二度も眺めた ビルと梢(こずえ)を
 
 
「定席」
 
二日続いて同じ梢(こずえ)で
力一杯 鳴くカッコウは
居心地の良い席あるようで
 
 
「ネムの木」
 
ネムの木よ ピンクのまつげに涙をためて
青空白雲 待ちわびる
ねじ花 いっしょに梅雨(つゆ)の花
 
 
「梅雨の合間」
 
梅雨(つゆ)の合間の のんびり池は
石亀二匹にエビさんまでも
水面近くで ぷかりぷかりと
 
 
「梅雨の夕日」
 
梅雨(つゆ)の季節の夕日は新鮮
新緑柳の白壁を
生き生き染める橙(だいだい)色に
 
 
「湿原」
 
梅雨どき 快晴 湿原は
花咲き乱れ そよ風が
こんなに世界が明るくて
 
 
「筑波山 中腹一周コース」
 
筑波山 腹巻き状に一回り
赤の大鳥居 東大地震観測所 風返し峠
国民宿舎のつくばね 筑波高原キャンプ場
 
男の川橋 薬王院コースを横切って
みかん園コースを横切って
国松コースを横切って
 
梅林通って赤の大鳥居に戻る
筑波山 中腹一周コース17.6km
林道 山道 車道も歩く
 
1.5キロで地震観測所81歳おばあさん
数年前まで人住んで
今はアジサイ咲き乱れ
 
お稲荷様は岩の上
この道古く天狗党
俳句の石碑(ひ)も立派です
 
途中で夏草背が高く
車道に戻って風返し峠へ
白滝への道右に見て
 
3.9キロで風返し峠 補修された石鳥居
筑波の峰も男女そろって
湯袋峠へ下る道
 
イノシシ渓谷 看板あって
しばらく下れば猪 元気で檻(おり)の中
若者走り屋オートバイ
 
しばらく行けば国民宿舎へ分岐(き)あり
6.6キロでつくばねオートキャンプ場
ここでコーラの大カン飲んで
 
土道 林道気持ちよく
つつじヶ丘への分岐点
ここで、8.8キロ万歩計
 
色んな野の花 木の実もあって
真壁町の領域へ 筑波高原キャンプ場
ここで昼食コッペパン カップラーメン
 
女の川過ぎてユース跡への分岐あり
しばらく下って風 心地よく
20人マウンテンバイクの若者達が
 
二人混じった娘さん
自転車登りは大汗見えて
それでもあいさつ嬉(うれ)しくて
 
10.6キロ男の川橋を渡るとき
上流二人が食事中
橋は古びて手すり壊(こわ)れて
 
分岐を酒寄方面へ
このあたり完成したての舗(ほ)装道
長年かけて出来上がり
 
薬王院コースを横切るまでに
赤のテープのマークの道が
おそらくこれは登山道
 
12.0キロ薬王院コースを横切って
酒寄と薬王院への分岐を左
14.3キロみかん園コースを過ぎて
 
このあたり西の方面 展望良くて
初夏の日差しは摂(せ)氏30度
16.1キロ国松コースを過ぎて
 
16.6キロ橋の西すぐ
猿田彦神社コースを通り過ぎ
筑波梅林 東(あずま)屋で17.0キロ
 
筑波神社の赤の大鳥居(とりい)
これで一周 中腹一周17.6キロメートル
梅雨の合間の楽しい歩き
 
梅雨(つゆ)どき野草も花美しく
オカトラノオ ウツボグサ
ニッコウキスゲも風に揺(ゆ)れ
 
筑波山 中腹一周コース
山頂目指(めざ)すコースと違い
気分が変わって おすすめコース
 
 
「梅雨どき台風」
 
梅雨(つゆ)の台風 蒸し暑さ
雲低く走り去る
しだれ柳は空に舞う
 
 
「三本唐松(からまつ)」
 
三本唐松
平和な湿原アクセント
燧(ひうち)ヶ岳と劣らずそびえ
 
 
「湿原の川」
 
湿原の中 小川もあって
澄(す)んだ冷たい水の中
大きな鱒(ます)も ゆらゆらゆっくり
 
 
「ヒバリ」
 
曇り空 ヒバリさえずり
高度を下げて その内すっと地上に降りた
自然の絵画は生き生きと
 
 
「百円ショップ」
 
品物見ながら頭巡(めぐ)らし
これは何に使えるか
これが楽しみ百円ショップ
 
 
「赤とんぼ」
 
下は雲 上は青空 岩 山頂は
黄色み帯(お)びた赤とんぼ
色んな虫と群れあう日差(ざ)し
 
 
「ぬかるみ」
 
山道ぬかるみ濡(ぬ)れた岩
山用ステッキありがたく
汚れた靴(くつ)も頼もしい
 
 
「汗」
 
下りの時でも汗吹き出
疲労物質 乳酸も
いっしょに出ると思えば爽(そう)快
 
 
「カンナの花」
 
カンナの花が一輪咲いた
梅雨の雨粒 載(の)せていた
柿の実色の 何十年もの若さであった
 
 
「岩も」
 
銀座コースの登山道
多くの靴に磨かれて
岩の頭は黒光り
 
 
「キョウチクトウ」
 
丸みを帯びた葉の茂り
濃いピンクの花たちは
全体一様 木を飾る
 
 
「府中街道」
 
筑波山 中腹 古道 東山 家並み続く
ミカンの木 石碑 神社を わきに見て
背高い夏草道消える
 
 
「道」
 
数百回 車で通った道さえも
初めて歩けば
多くのことを気付きます
 
 
「散歩靴(くつ)」
 
二年間も保(も)ちました
散歩靴 厚底長持ち知りました
次を買うのに生かします
 
 
「夏雀(すずめ)」
 
歩けば背に汗 散歩道
雀 二三羽
夏知らず
 
 
「ツバメの巣」
 
古い町並みツバメの巣
元気の良い雛(ひな)
家 生き生きと
 
 
「20キロ歩き」
 
三十度 杖(つえ)をつきつき二十キロ
町の匂いが身にしみて
杖跡残し 心にふんわり
 
 
「貝塚」
 
上低く軽飛行機は降りてきて
畑の土に貝殻(がら)白く
夏の日に石碑(ひ)は示す貝塚と
 
 
「小さな池」
 
お地蔵様のその脇(わき)の
いつも緑の小さな池が
思い出いっしょに埋(う)め立てられて
 
 
「大鷺(だいさぎ)」
 
足長く 首長く 真っ白羽の
20年 毎年池に静かに立って
何世代目の大サギなのか
 
 
「夕立」
 
夕立の太い雨脚(あまあし)
雷鳴が
夏の気迫(はく)を見せつけて
 
 
「霧ヶ峰」
 
さらさら溶岩作った山は
草花草原 木は無くて
風は涼しく富士山はるか
 
 
「夕焼け」
 
夕焼けの
味が濃くなる
七月末は
 
 
「ニッコウキスゲ」
 
なだらか高原ニッコウキスゲ
橙(だいだい)色の一日花でも
一面埋(う)める生活力の
 
 
「霧ヶ峰は」
 
霧が多くてこの名が付いた
ときおり雨で富士も見え
しっぽり野原の花が咲く
 
 
「白馬八方温泉」
 
お湯はアルカリ日本一
男の私の皮膚さえもツルツルすべすべ
女の人にはひときわ人気
 
 
「湿原 栂(つが)池」
 
白馬連峰 背景に1900メートル標高の
尾瀬より草花 充(み)ち満ちて
酷(こく)暑の下を忘れさせ
 
 
「小布施(おぶせ)」
 
北斎 晩年過ごした町は
栗はおいしく趣(おもむき)あって
道はお客で満ちあふれ
 
 
「夏の山道」
 
大汗かきつつ登っていけば
元気を増した虻(あぶ)さんが
数百メートル付いて来て
 
 
「コバギボウシの花」
 
白のヤマユリ山頂近く
少し下って紫の
暑さ忘れるコバギボウシの花
 
 
「オオバギボウシの花」
 
山道に円筒形のお墓があって
聞けばそれ 和尚(おしょう)の墓で
飾るは白いオオバギボウシ
 
 
「古い車」
 
古い車は愛着増して
まとめて七カ所 部品を換(か)えた
さあこれからも ずっと元気に
 
 
「木雨(きあめ)」
 
山の冷気と木雨に打たれ
しっとり華(はな)やか うつむいて
ソバナの花は青紫の
 
 
「チタンのマグカップ」
 
チタンのカップは使い初(ぞ)め
川の源流わき出る清水
5杯(はい)も汲(く)んで生き返り
 
 
「双石(ぼろいし)山」
 
登山口だけ確認し
双石山は木々深く 子供の頃の記憶は薄れ
鏡洲(ず)川のあかり茶屋
 
 
「姥ヶ嶽(うばがだけ)神社の水」
 
双石(ぼろいし)山の登山口
神社の隣に名水あって
冬も枯れずに人集め
 
 
「椿山(つばきやま)森林公園」
 
雲で下界は見えないけれど
風涼しくて
冬の花待つ椿山
 
 
「雲」
 
残暑厳しい日が続き
夕空見上げりゃ
秋の雲
 
 
「山のお地蔵様」
 
林道脇にお地蔵様達
おそらくは道が整備の前からの
すっかり景色にとけ込んで
 
 
「椋鳥(むくどり)の大群」
 
夏空を椋鳥大群 駆(か)け抜ける
あのときは夕日の中を駆け抜けた
今日は青空 強い日差しの
 
 
「テント」
 
山の中腹キャンプ場
テントはくっきり色鮮(あざ)やかで
子供の声声山を染め
 
 
「盆明けて」
 
記録作った真夏日を
さっと南へ押しやって
秋の女神は息吹とともに
 
 
「コンビニおにぎり」
 
コンビニおにぎり進化して
試しに一つパクツケば
二つめ食べたい変化味
 
 
「カットのみの理髪」
 
洗髪 カット 剃(そ)り少し
ぐっと安価のカットのみ
百円ショップと相通じ
 
 
「夏の田舎(いなか)店」
 
田舎の小さな店だけど
おばさんニコニコ愛想良く
柔らかチョコは味わいあって
 
 
「LED懐中電灯」
 
LEDが五つも付いて
千円までも安くなり
50時間も明るく照らす
 
 
「白神山地」
 
世界遺産の白神(しらかみ)山地
台風一過の青空と ブナ原生林水うまく
緑(みどり)葉浮かべる 青池 静か
 
 
「木(こ)漏れ日」
 
青池の木漏れ日は
自然の青を
生まれさせ
 
 
「小安峡」
 
岸壁深く谷川の
岩の割れ目は湯気吹き出して
温泉見せる別の姿を
 
 
「須川湖」
 
酸性 水は青く澄(す)み
周りの山は栗駒山の
高原さわやか ボート数隻(せき)
 
 
「ブナ原生林」
 
台風の雨に洗われ
ブナ原生林
縄文景色がさらに澄(す)み
 
 
「犬吠埼(いぬぼうざき)灯台」
 
夏の終わりの波しぶき
崖(がけ)を下れば野の花の
雲より白く 灯台風に
 
 
「風力発電」
 
巨大プロペラ 三枚羽根の
悠(ゆう)然 白く 空描く
日本も増える海近く
 
 
「ケヤキの木」
 
台風遠く風強く
ケヤキの葉と枝 揺(ゆ)れる様(さま)
一挙に思いを空放(はな)つ
 
 
「サボテン」
 
サボテンは落ちた葉っぱも
芽を出して
すくすく伸びる頼(たの)もしさ
 
 
「ヤハズソウ」
 
葉脈沿って葉はちぎれ
細い茎でも
暑さの中で芝に広がり
 
 
「初めての柿(かき)」
 
今年初めて柿の実は
種は緑の虫食いで
それでも甘く秋香り
 
 
「日先神社」
 
木製飛行機 プロペラ飾り
落ち葉の煙に 髪の毛供(そな)え
戦時中 今に伝える日先神社
 
 
「牛久(うしく)沼の夏草」
 
あのときの暑い散歩の土手の上
牛久沼 茂っていたのは何草(くさ)か
今日はたどって草の名を
 
 
「台風」
 
薄茜(あかね)止まった雲を背景に
黒雲せわしく北向かう
台風はるか日本海
 
 
「昼のパン屋さん」
 
いつも眺めた 二面ガラスの道沿いの
香りおいしいパン屋さん
硬いドーナツ食べました
 
 
「九月上旬」
 
昼は夏
夕暮れ秋の
虫盛(さか)ん
 
 
「ドングリ」
 
秋前に
ドングリ緑で
すくすく太る
 
 
「1300年の大杉」
 
小さな神社に背負われて
節(ふし)くれ荘厳 避雷針
手厚く守られ佐久の大杉
 
 
「秋の虫」
 
力増し夜の空気を独り占め
見えないけれど
秋の虫
 
 
「九月中旬」
 
夏の名残(なごり)の暖か空気
夕闇(ゆうやみ)夕焼け周りを包み
鮮(あざ)やか菊芋 黄色がしみる
 
 
「秋風」
 
夕暮れに
寒さ見つける
秋風の中
 
 
「ルツボの花」
 
乾いた秋の陽(ひ) 草原に
ピンクの花びらルツボが並び
これでもしっかり野草です
 
 
「神社」
 
滅多(めった)に人見ぬ小さな神社
鳥居(とりい)は安政 階段昭和
毎日拝(おが)めばありがたく
 
 
「710メートルのコブ 筑波隠(かく)し」
 
三つの峰の筑波山
女体山 男体山 筑波隠し
三つを見ると美しく
 
真壁町では 筑波隠し が一番目立つ
710.0メートル地図には名前はありません
男体山の北西に
 
今日はとことこ登りましょう
筑波隠しは薬王院コースから分岐して
緩(ゆる)い登りで山頂に
 
その分岐(き)点
薬王院コース上部 薬王高原平らなところ
そのすぐ下の階段あって
 
桧(ひのき)林のあるところ
上見て左に分岐して
テープのマークを見ながら登る
 
踏(ふ)み跡 今はかなりクッキリ
息もさほどは切れません
登る気あれば楽な道
 
まもなく頂上着きました
三角岩が鎮(ちん)座して
周(まわ)りは立木が風に揺(ゆ)れ
 
手製のアルミ板 木の枝に
坊主山と書かれてあった
反対方にも道あって
 
おそらくこれは林道からの
この山は御幸ヶ原の店主人
二軒に聞いたが名は無いという
 
真壁町では 筑波隠し と呼ばれ続けた
アルミ板 坊主山との呼び名はどこで?
三角点も三角岩の脇(わき)
 
男女の峰の
その子供
筑波隠しはゆったり景色
 
 
「月と星」
 
雲の合間(あいま)の月と星
眺(なが)める気分を誘(さそ)うのは
昼の暑さと夕の涼しさ
 
 
「山栗(やまぐり)」
 
売ってる栗より甘くてうまい
落ちたイガ 靴で踏みつけ小柄な実コロリ
洗ってゆでて 楽しみ九月
 
 
「大文字(だいもんじ)草」
 
登山道 垂直岩に
白く風揺(ゆ)れ大文字
苔(こけ)の上にも大の字を
 
 
「若いお客さん」
 
ケーキを持って写真見せ
思い出 池に連れ立って
二人は新婚三ヶ月
 
 
「初めてのストーブ」
 
六月からの夏激しくて
二十二度にてストーブ入れた
まだまだ月日は九月末
 
 
「袋田(ふくろだ)の滝」
 
日本三大 名瀑布 袋田の滝
三段 白糸 水盛り上がり
岩はまろやか緑に黄色
 
 
「スペアタイヤの空気圧」
 
空気圧4.2キロが2キロになった
忘れ去られたスペアタイヤ
たまには手入れをしてあげて
 
 
「ムクドリの大群」
 
コバルトブルーの夕空を
ムクドリたちがねぐらに向かう
はるか昔のあのときは 確か夕焼け背景に
 
 
「エノコロ草」
 
秋の夕日はまぶしくて
数多いエノコロ草も風に揺(ゆ)れ
ススキに負けず白光(しろびか)り
 
 
「小野小町(おののこまち)の里」
 
小町伝説 山里は
小町の墓上(うえ)秋空を
パラグライダー 花漂(ただよ)って
 
 
「花火 山から」
 
花火 山から眺(なが)めれば
町の灯(あか)りを吸い上げて
秋の夜空を飾(かざ)ります
 
 
「沢下(くだ)り」
 
沢下り 岩に足載せ
岩転(ころ)がって
転んで足打ち 車石(くるまいし)
 
 
「秋の富士山」
 
三合目ナナカマド色づき始め
富士山五合目 雨のち晴れの
湖 高原 樹海も 澄(す)んで
 
 
「忍野八海(おしのはっかい)」
 
富士山はるばる伏流水は
池に顔出し青色染まる
この色そっくり白神(しらかみ)青池
 
 
「取れたてリンゴ」
 
ブドウにリンゴに梨食べ放題
甲府盆地の秋晴れは
香り味よし取れたてリンゴ
 
 
「大洗(おおあらい)海岸」
 
台風余波の大波見事(みごと)
夏の名残(なごり)の出店は戸閉(し)め
神社ははるか海見つめ
 
 
「土瓶蒸(どびんむ)し」
 
薄い松茸(たけ)かわいくて
香りかぎ味をかみしめ
集中せねば何のことなく
 
 
「台風後(あと)」
 
台風後は散歩道
色様々(さまざま)の木の葉散り
枝に混じってドングリ積もる
 
 
「十月中旬」
 
空青く
星は澄(す)み虫の音(ね)淡(あわ)く
十月中旬
 
 
「秋山の帰り」
 
山の帰りの夕焼けの
三つの峰を赤紫に
遠くに黒富士 光変化(へんげ)の地平線
 
 
「どんぐり」
 
秋の朝 クヌギ コナラに白樫(かし)の
ドングリ並べて背比(せいくら)べ
終わった後は神棚(だな)に
 
 
「大型稲刈り機」
 
二番穂伸びた田んぼの中に
ぽつんと残った稲刈り機
今年もよくよく頑張(がんば)った
 
 
「製本」
 
馴染(なじ)みの製本屋 これが最後の
覚えてくれて同じ表紙に
毎年毎年 心ときめき